読者ラーメンコラムvol.6

らいおんラーメン

「私がラーメンに目覚めた一杯。らいおんラーメン@府中」

ラーメンを食べ歩く方々は、きっと何かきっかけの一杯があると思う。
私にとってのそれは府中のらいおんラーメンだ。
お店の評価は人それぞれだし、私自身もう10年以上らいおんラーメンを食べていないので、今食べたら当時とは違う印象だと思う。思い出は美化されるものだし・・・。

でも初めて食べたときの衝撃はすごかった!

私は千葉の柏というところのほんとうに隅っこで生まれ、歩ける距離にスーパーもコンビニもないようなところだったし、ラーメンと言えば近くの中華料理屋の出前のラーメンを食べるくらいのものだった。そしてそのラーメンで十分おいしかったし、ご馳走だった。小3くらいでどんぶり一杯を食べきったとき、なんか大人になった気分になったものだ。
中学・高校と進んでも、普通のチェーン店のラーメン屋に友達たちと行く程度で、ラーメンはそのレベルのものだと思っていたし、美味しいと思っていた。
テレビで行列のできる店が取り上げられているのを見ても、「本当にそんなに違うものなのかなぁ」と思っていた程度で、わざわざ食べに行こうとは思わなかった。だって普通のラーメンでおいしいんだもの。

しかし、その日は突然訪れた。

大学が京王線沿線にあり府中に一人暮らしをしていた友達がいたので、府中に遊びに行ったときに、「雑誌にも出てるラーメン屋があるから行こうよ」と誘われ、行列のできるラーメン店のテレビの光景が頭に浮かび、興味津々でお店に行った。店に着くと行列ができており、わくわく感たっぷりでその行列に並んだ。
自分の番になりラーメンが目の前に運ばれて、一口食べたとき・・・。
いやぁ~、それはもう衝撃だった。
目の前でチャーシューが切られていることなんてなかったし、白髪ねぎを何か特殊な調味料で和えているのも新鮮だったし、所謂ふつ~のラーメンと全く違うその味に、本当に感動を覚えた。
それからというもの、意識してラーメンを食べるようになり、初めて一風堂で豚骨ラーメンに出会った時も感動したし、新宿で竈を食べたときも「すげぇー」って思ったし、ラーメンの偉大さ、無限さを知った。

今なおいろいろなラーメンを食べ歩いてるが、そのきっかけをくれ、ラーメンという食べ物の偉大さを教えてくれたらいおんラーメンには今でも本当に感謝している。

今は情報化社会で、美味しいラーメンもすぐに検索出来て若いうちから簡単においしいラーメンに出会えるかもしれないけど、「気づけば美味しいラーメン食べてた」よりある瞬間に衝撃を受けた方が絶対ラーメンが好きになるような気がする。
「18歳までは普通のラーメン以外食べてはいけない」って法律作った方が、いいんじゃないかなあ(笑)

(よしを。)

※画像提供:みうたんパパ