「岡本中華」
徳島県の中でも、小松島市の周辺には白っぽいスープのラーメンを出す店が見られる。新横浜ラーメン博物館はこれを徳島ラーメンの白系と名付けた。
小松島を代表する白系ラーメンの名店が岡本中華である。
この店は1951年に岡本清一氏が市内で引き始めた屋台が発祥である。現在は三代目の福井雅人氏が経営を引き継いでいる。
現在は鉄筋の立派な店になっているが、屋台時代に豚骨の破砕に使っていた線路の一部を未だに使用するなど、伝統を受け継いでいるようだ。
開店時間の11時を少し過ぎた頃に店を訪れたところ、既に駐車場はほぼいっぱい、店内にも多くのお客さんが座っていた。
運ばれてきた中華そばは、確かに白が基調の外観である。その分ネギの緑色と海苔の黒色が鮮やかに見える。
スープはまろやかで口当たりが良く、滑らかな麺はスルスルと入ってくる。バラ肉、モモ肉を混ぜたチャーシューも美味しい。
穏やかだが静かな主張を感じるラーメンであった。
(河田剛)