「福岡で初めての屋台」
あれは2019年12月
初めて福岡に行くとなった日。
体験したいリストの中の一つだった、『屋台でラーメンを食べてみたい』というものだった。
茨城に住んでる私は、屋台でラーメンなんて経験はしたことがないし、見たこともない。
写真で見る屋台はとっても活気があるように見えワクワクしていた。
屋台ラーメンについて調べてみると、いろいろな規制がかかった時に屋台を商いにしていた方々が行政に抗議を続けた結果残されているとのこと。
強者に立ち向かい、経営権を勝ち取り結果として残されているという歴史があるからこそ、趣があると私は思う。
羽田から約2時間。福岡空港に着いた時、空港内にはラーメン店が並ぶエリアがあるのを見つけて迷わず先に入ってしまったくらい『ラーメンの街』という印象を受けた。
いろいろなスポットを巡り夜になる。待ちに待った夜だ。
中洲通りには、たくさんの屋台が並び、多くの人で賑わっていた。
特に店選びはせず、フィーリングでとある屋台に入ってみる
場所は3畳あるかないかのスペースで、席は8席。「いや狭すぎるでしょ」って思うがこれも文化なのかもしれない。
訪れたお店には、メニューがたくさん並んでいる。この狭いスペースでこのメニュー量は驚きを隠せない。
屋台には大きな鉄板があり、そこで調理をしているようだ。
周りの客は、つまみと酒を頼んでいるなかラーメンのみを注文する。笑いが絶えないこの3畳の空間には博多の癒しの場なのかと感じながら出来上がるのを待つ。
約5分くらいで出来上がったラーメン
豚骨のイメージが強かったが、ここは鶏ベースの旨味と香りが強い。添えられたキクラゲと青ネギが嬉しい。屋台のラーメンはなんだか気持ちを温かくする。それに、寒さが良い調味料となり、ホッとするひととき。
……この屋台文化は、いつまでも残してほしい『ラーメン文化』であり、これを守っていくためにも私たち食べる側も支えなくてはならないものだと感じた1日であった。
(拉麺愛食家 谷瞭)