
「しんすい園」
香川県坂出市はかつては塩田、その後は工業都市として栄えた街である。ただ、地方都市の常で商店街に人通りは少ない。その中で賑わっているのが1887(明治20)年創業の老舗、しんすい園である。日本茶の販売が本業ではあるが、甘味処(飲食コーナー)も併設されている。

しんすい園 内観
店を入って左手にある甘味処は満席で、少し待たされた。地元の家族連れが多く来ているようだ。甘味処なので餅やぜんざいがメニューにあるが、人気なのは中華そばである。1959(昭和34)年頃から出しているというからこちらも歴史は古い。540円という価格は最近では驚きである。

しんすい園「中華そば」
澄んだスープに細麺、トッピングはネギ、チャーシュー、メンマというシンプルな外観であるものの、スープがユニークである。鰹出汁に昆布茶を加えており、飲むと旨味と昆布茶特有の風味が立って来る。麺もつるつるして美味しい。

しんすい園「グリーンソフト」
もう一つの人気メニューがグリーンソフトである。お茶の香りで口がさっぱりする。食後にはピッタリである。このような店に出会えるのも地方のラーメン巡りの醍醐味だろう。
(河田剛)