「うらしま食堂」
和歌山ラーメン好きには知られた店である。しかし辿り着くまでの道のりは遠い。紀の川市の国道沿い、JR和歌山線打田駅から徒歩15分の場所にある。ただ、公共交通機関を使う場合、和歌山線の本数が少なく、京都市内を朝出て3時間以上かかった。
うらしま食堂 内観
以前は平日昼のみの営業だったのが、土曜昼も営業するようになり、少しハードルが低くなった。その土曜の昼、定時の10分前、10時50分に開店した時には20以上が並んでいた。食券を買い、人数を聞かれると店員さんが空のコップを置くのでその場所に座る。元々は食堂だったようだが、今のメニューは中華そば、中華そば1.5玉、中華そばダブル(2玉)とめしのみ。
うらしま食堂「中華そば」
まとめて作ることをせず、2人客には2杯、1人客には1杯ずつ、丁寧に作業していく。中細ストレート麺と濃厚な豚骨ベースにコクのある醤油を合わせたスープという一杯である。トッピングはチャーシュー、メンマ、ネギとシンプルだが、スープがぐいぐい引っ張って行く。丼の底にたっぷり髄が残るにもかかわらず、臭みはなく後味はすっきりしている。和歌山ラーメンも理想型とも言える一杯で、ここまで出かけた価値があったと思わせられる。
(河田剛)