読者ラーメンコラムvol.4

8番らーめん

「例え『ご当地』じゃなくても」

「おいしいラーメンもあるんだけど、どうせなら寿司とか違うものを食べたほうがいいよね」
「ラーメン不毛の地。 まぁ○○(地名)よりもマシだけどね!」
これが東京などでラーメンの話をしている際、私の地元の話題になった時に頂戴する代表的なご意見だったりします。

それが私の地元 石川県(金沢市)です。
「金沢県」なんて言われることも、「どこにあるんだっけ?」と問われることもしばしばある、富山と福井に挟まれた県です。

ですが、私から言わせていただくと「ご当地ラーメン」はなくとも「ご当地ラーメン」と同じくらい、もしかしたらそれ以上に愛されているらーめんが金沢にはあるんです。

それが「8番らーめん」と「チュー」です。
異論は認めます。

「未食扱い」という言い方はあまり好きではないですが、『金沢で「チュー」と「8番」を食べてなかったら未食扱い』と、あえて言わせていただきたいまである、そんな位置だと思っています。

私は地理的な影響で「チュー」よりも「8番」派だったので、今回は8番について書かせていただきたいと思います。

「とある有名人の父がFCをやっている」とか「1967年創業で同年にFCも開始している」とか、「その時期がどさんことほぼ一緒」とか「タイで100店舗を超えている」等のマメ知識はここでは置いておくことにしましょう。

最近では金沢でも東京で流行ってそうなラーメンを食べられるお店も増えて、色々なラーメンを食べられるようになってきていますが、ぶっちゃけてしまえばおいしいラーメンは東京にいればいくらでも食べられます。
ですが8番らーめんは食べられません。

代表メニューである「野菜らーめん」は言ってしまえば、ちゃんと鍋を振って作る「普通のタンメン」です。
味のバリエーションこそ味噌・塩・醤油・とんこつ・バター風味とあり、何派かで戦争をすることもできるのが一つの魅力かもしれません。

父は醤油だし、母はバター風味派だったし、私は大体塩を注文します。

8番の特徴として、基本的にテーブル席が多めのファミリー層向けのお店というのが挙げられます。
なのでラーメン数種類の他に餃子、チャーハン、唐揚げ、春巻、ポテトなどのサイドやお子様向けのメニューも充実しています。
であるため、私のような子供の頃から通っておふくろの味くらい刷り込まれている人間が多く存在するわけです。
なので帰省した時は新店も気になりますが、大体8番に行ってしまいますし、飲んだ後なんかは必ずです。

「うまい、まずい」はもちろん、それどころか「好き 嫌い」で論じるのもばかばかしくなるくらい自然とそこにあるもの、つまりご当地ラーメンのような枠、県民食、ソウルフードという類のものなんですよね。

ですので、「地方」感を味わいたかったらちゃんと「8番」と「チュー」に行ってみてくださいね。

でないと金沢「未食扱い」されちゃいますよ~!

(おしょう)