ザッツ☆エンターテイン麺ト!vol.7

ラーメン大好き小泉さん

ラーメン大好き小泉さん

『ラーメンと漫画 その3』

ラーメン漫画の歴史を遡る

このコラムで、「ラーメン発見伝・らーめん才遊記・らーめん再遊記」と「美味しんぼ」を紹介しましたが、他にもたくさんの「ラーメン漫画」があります。中にはドラマや映画になったものもあり、現在人気なのは「ラーメン大好き小泉さん」。実在のラーメン店を、女子高生の小泉さんたちが巡りながら展開するストーリーで、2018年にアニメ化された他、たびたびドラマ版も放送されています。

ネットで漫画が公開されて話題になり、2015年に書籍化された「ラーメン食いてぇ!」は、モデルになったラーメン店があった高崎市で撮影されて映画化されました。こちらは、女子高生がラーメン作りに取り組むというストーリーの中に、老店主からの教えも織り込まれています。

 

ラーメン食いてぇ!

ラーメン食いてぇ!

ラーメンを食べた事がない男子高校生が一杯のラーメンに衝撃を受けて、ラーメン職人へと成長する3年間を描いたのは「虹色ラーメン」。少年誌「週刊少年チャンピオン」に連載されていた事もあり、学園ドラマかと思えばロボットが出てきたり、ライバルとの戦いなどでラーメンの世界が描かれました。

虹色ラーメン

虹色ラーメン

「虹色ラーメン」が連載されていた2000年頃、青年誌「オースーパージャンプ」で連載されていたのは「一杯の魂」。「麺屋武蔵」「中村屋」「支那そばや」などの「ご当人ラーメン」や、「春木屋」「とら食堂」「井出商店」などの「ご当地ラーメン」の実在の店主にスポットをあて、そのエピソードを丁寧に描いた作品です。

一杯の魂-ラーメン人物伝-

一杯の魂-ラーメン人物伝-

その少し前、劇画誌「週刊漫画ゴラク」で連載されていた「喧嘩ラーメン」。暴走族あがりの青年が、理想のラーメンを求めて東京から九州へ。立ち寄った土地土地でラーメンを学びながら成長していくストーリー。破天荒ながら全力でラーメンに挑む主人公が劇画誌にマッチしていました。

「虹色ラーメン」「一杯の魂」「喧嘩ラーメン」の三作には、「TVチャンピオン」の二代目ラーメン王で、ラーメン評論家の草分けだった武内伸氏が関わっていました。「一杯の魂」では「原作」を担当。「虹色ラーメン」では「協力」としてクレジット(当初は、広報として所属していた「新横浜ラーメン博物館」の名義)されている。「喧嘩ラーメン」にクレジットはないものの、アドバイザー的な立場で協力していたと、北島秀一氏から証言を聞いています。

武内氏は大学時代に漫画サークルにいたそうで、漫画の下書きをした「ネーム」の状態で作画者に渡していた事もあったとも聞く。「ラーメン漫画」にも人一倍の情熱を注ぎ、2000年頃のラーメンブームを、漫画というメディアからも支えていたのが武内氏でした。

(山本剛志)