「日本ご当地ラーメン一覧2024」公開記念【番外編】
毎年「7月11日はラーメンの日」に発表している「日本ご当地ラーメン一覧」が今年も公開されました。
今年は3種類のご当地ラーメンが追加掲載となっています。
公開を記念して、今回のコラムは追加となったご当地ラーメンから2種類をピックアップしてコラムでご紹介します。
【番外編1】アホーメン(神奈川県)
川崎駅近くの中華料理店数軒で提供されていた「アホーメン」。「アホー」とはスペイン語で「ニンニク」の意味で、大量のニンニクを加えて炒めたタンメンとして地元で根強い人気があったが、その発祥店である「萬楽」が2011年に閉店。徐々に減少していた提供店がなくなるかと思いきや、2016年に開店した「タン担麺 中担」が「アホーメン」を提供していると聞き、訪問してみた。
川崎駅から少し歩き、第一京浜を渡った先の貝塚2丁目にある、気軽に入れそうな中華屋さん。店名にもなっている「タン担麺」は、同じ川崎発祥の「ニュータンタンメン」を思わせる麺料理だが、今回のお目当ては、鶏白湯ベースの「THE アホーメン」。牛白湯の「アホバッカ」(バッカはスペイン語で「牛」の意味)も提供している。
ニラ・玉ネギ・ニンジンなどの野菜を炒めた所にニンニクを10粒、スープを加えてから刻みニンニクもほぼ同量加えていて、配膳された時点でニンニクの匂いが強烈。ニンニクの粒を口にする度に、ホクッとした食感でサクサクと食べられて、スープに入り込んだ刻みニンニクのパワフルさが伝わってくる。多少の夏バテなら一気に吹き飛ぶような一杯だが、ニンニクが好きな人でも胃袋が驚くほどのインパクトがあった。
タン担麺 中担(THE アホーメン)
「アホーメン」は、川崎市中原区武蔵新城駅近くの「付麺屋 壱志」でも提供。こちらでは汁麺スタイルの「川崎昭和アホー麺」と、まぜ麺スタイルの「川崎令和アホー麺」の2種類を提供。「令和アホー麺」を注文したが、醤油味のまぜそばの上に、野菜と共に炒めた刻みニンニクの上にニンニクの粒がゴロゴロ乗っていて、ニンニクのインパクトは共通している。
付麺屋 壱志(川崎令和アホー麺)
提供店の数は多くないが、ガッツリ系ラーメンの人気で「ニンニク」が馴染まれている今、アホーメンの出番も増えるかもしれない。
(山本剛志)
【番外編2】やまなし源水ラーメン(山梨県)
「やまなし源水ラーメン」は2022年7月に発足した「山梨ご当地ラーメン協会」が試作を繰り返し、2023年11月から販売を開始した新たなご当地ラーメンである。スープには山梨の名水と「富士の介」などの淡水魚、「甲州地どり」などを使用し、県産品を1種類以上トッピングすることが条件となっている。和え玉が用意されている店が多いことも特徴になっている。
2024年8月時点で5店舗で提供されているが、そのうち「麺'ズ冨士山 セレオ甲府店」と「甲州地どり市場」を訪問してみた。「麺'ズ冨士山 セレオ甲府店」は「吉田うどん」(富士吉田一帯のご当地うどん)の専門店であるものの、「やまなし源水ラーメン」もよく出ているようだった。淡水魚の煮干しと地鶏がベースのスープに細麺を合わせ、県産のドライトマトやクレソンをトッピングしている。地元の辛口調味料すりだねを足すと味が引き締まる。
麺'ズ冨士山 セレオ甲府店(やまなし源水ラーメン)
「甲州地どり市場」はやはり淡水魚の煮干しと地鶏ベースのスープに細麺という組み合わせである。ドライトマトのほか、甲州地どりソーセージがトッピングされているのが目を引く。売店で販売されている地鶏の卵をからめることも推奨されている。
甲州地どり市場(やまなし源水ラーメン)
「やまなし源水ラーメン」はまだスタートしたばかりである。今後の成長を期待したい。
(河田剛)