読者ラーメンコラムvol.1

ラーメン二郎 三田本店

「心に響く、三田の一杯」

「二郎はラーメンであってラーメンではない」という言葉を耳にすることがあります。しかし、私にとっては二郎は美味しくてボリューム満点、そして楽しいラーメンです。

私の二郎は三田本店に始まり、目黒店や大宮店で習慣化していましたが、2016年11月の大宮店閉店を契機に、避けている訳ではありませんが、何故か二郎に足を運ぶことが無くなりました。
・・・そうして時は流れ、会社のオフィスが三田に移転したことで、私の二郎人生は1年3か月ぶりに再開を果たすのでした。

会社から徒歩10数分、午前11時前に三田本店に到着。この時間で行列は約11人、これはもしかしてラッキーかも知れません。店内を覗くと、山田総帥のお姿が!変わらずお元気そうで、大きな声でお客さんを迎えていました。

10分ほど待ったところで前のロット組が入店を開始したので、いよいよ食券を購入。今日は久しぶりの二郎ということで、いきなりの大ラーメンは避け、無難に普通のラーメンに。黒いプラスチックの食券の、ヌルっとした手触りも久しぶりです。

しばし待つと、左側のカウンター一番奥が空き、着席。丁度前のロット組のラーメンを仕上げているところで、麺を茹でる良い香りが店内に漂います。
若い方は皆「ヤサイマシマシアブラマシニンニクカラメ」のように、大変多くのトッピングをコール。若さって、いいなぁ・・・。

そして、次の麺が大鍋に投入され、いよいよ私たちの二郎が作られ始めました。麺の固さをチェックする姿も懐かしい・・・。
そしてどんぶりにタレ、スープ、脂が投入され、そこに茹で上がったゴワ麺が大量に投入されていきます。

おお・・・普通でもこんなに多い量だったっけ・・・

と、ひさかたぶりの二郎にややおののきつつ、顔には出さず待機。
そして、「ニンニク入れますか?」のコールに「カラメだけ」のレスポンス。「カラメだけね」と確認が入り、いざ仕上げられた私の二郎がカウンターにドンッ!と置かれました。

以前の自分なら「少ない」と感じていたかも知れませんが、何せ久しぶりの二郎ということで、その重量感を噛み締めつつ、まずはスープをひと啜り。

・・・あぁ、二郎の味だ。

カラメ(追いカネシ)でお願いしたこともあり、しっかりとした醤油味を感じるスープは、まさに私の中に眠っていた二郎そのものです。
次に箸で野菜を大量にすくい取り、一気に口の中に放り込む

・・・うん!

歯触り良くゆで上げられたモヤシとキャベツがカネシを纏い、メリメリと音を立てつつ、得も言われぬ味わいが口の中に広がります。あらかた野菜を食べきった後は、いよいよ麺とご対面。
ここまで1分半程度ですが、既に麺はある程度スープを吸い始めています。それをこれまた大量に掴み上げ、ふた息ほどかけてから一気にすすり上げます

・・・おおっ!

これが、私が二郎で最も好きな瞬間です。麺にスープ、醤油、脂、ニンニクがしっかり絡み、ビリビリとパンチの強い旨味が、一気に脳を刺激してきます。あとは麺、肉、麺、肉、時折スープと三角食いをしつつ、5分ほどで完食。

ああ、これなら大ラーメン行けたなぁ・・・

と思いつつ、多くのお客さんが並んでいるのですぐに身支度して退店。「ご馳走様でした!」と声を掛けると、総帥が「あーーー、ありがとうねー!」と大きな声で送り出してくれました。

外に出ると、既にお店の前は大行列、裏道まで回り込んでいました。良い時間に来たなぁと思いつつ数分歩いたところで、麺がスープを吸って膨れたのか、お腹にドーンと膨満感を感じ、「やっぱり普通にしておいてよかったな」と微笑しつつ、会社に戻るのでした。

ご馳走様でした!

(がんぞう)