ラーメンプロフェッサーの備忘録vol.1

ラーメンプロフェッサーの備忘録

栃木県を代表するラーメン「一品香(いっぴんこう)」

私の地元栃木県に「一品香」というお店があります。澄んだ醤油スープに手打ちの縮れ麺、大ぶりの餃子など栃木県のご当地ラーメンとして有名な「佐野ラーメン」と多く共通する特徴を持ちます。佐野市にほど近い小山市で1975年創業と半世紀もの歴史を誇り、家族四世代に渡り通い詰めるファンもいると言うほど地元で長く広く愛されてきました。「一品香」とその流れを汲むお店は店名の「イッピンコウ」から取って「ピンコ系」と呼ばれることがあり、近年では人気Youtuberに取り上げられるなど県外にもその名が広まって来ていると感じます。

現在県内に「一品香」は3軒ありまして、今回はJR小山駅から徒歩10分程度にある本店の「一品香 小山」を訪問しました。平日夕方の夜営業開始直後だったため待ち無しで案内されましたが暫くするとカウンター10席弱、テーブル30席ほどの店内は埋まっていました。平日のお昼や土日祝日となると店外に順番待ちの行列が出来ることも珍しくありません。

 

一品香

券売機で一番人気のチャーシュー麺と餃子5個、またトッピングでネギ増しを注文しました。ラーメンが到着しまず丼を覆い尽くす3枚の大判チャーシューのインパクトに目を奪われます。「一品香」のチャーシューは一般的な煮豚ではなく、オーブンで焼き上げた香ばしい焼豚となります。肉汁と旨味がたっぷり閉じ込められ適度に脂の乗った柔らかジューシーな厚切り肉を頬張ると、食べることの喜びやラーメンファンとしてこの上ない幸福を感じられます。大き目にカットされたネギとの相性も抜群で、ローストポークの専門店が開けるほどの味だと思います。

チャーシューの隙間から覗く不揃いの手打ち中太縮れ麺は大釜で茹で上げられ、もちもちとコシを感じチャーシューに負けない存在感があります。

そしてスープはあっさり醤油の見た目ながら動物系のコク旨味、野菜の甘味がしっかりと感じられラーメンを上手くまとめ上げつつそれだけでも飲み応えがあります。

またもっちりした皮に餡がパンパンに詰まった餃子も看板商品で、肉と野菜の絶妙なバランスは食べ応えがありつつも重たさを感じず、ラーメンを食べながら思わず箸が進みます。醤油と自家製ラー油が王道ですが、酢と胡椒でさっぱり食べるのもおすすめです。

 

一品香

以上、長い歴史と不動の人気を誇り栃木県を代表すると言っても過言ではないラーメン「一品香」を紹介しました。スープから麺、具材、餃子に至るまで一品一品がハイレベルでお腹も心も満たされるはずです。コラムをご覧になり興味を持たれた方は、ぜひ栃木にお越しいただき召し上がってみて下さい。

(ラーメンプロフェッサー 齋藤 義真)