ラーメンプロフェッサーの備忘録vol.3

ラーメンプロフェッサーの備忘録

茨城ご当地ラーメン「スタミナラーメン」ならぬ「焼肉冷し」

茨城でご当地ラーメンといえば、まずは「スタミナラーメン」が思い浮かびます。その本家はというと、水戸の「松五郎」が知られていますが、その発祥は勝田駅近くにある「大進」、というのは知る人ぞ知る話。「大進」の元店長が「松五郎」を開業し茨城県内に広がっていったわけですが、その発祥の地が独自の進化により大人気店となっているのです。ということで、今回は茨城県ひたちなか市勝田駅近くにある「大進」を訪問です。

 

 

大進 外観

大進 外観

東京駅から特急ひたちで水戸の一つ先、勝田で下車し、ROCKオブジェを通り過ぎて路地を進んでいくと、なんともレトロな外観が目に入ってきました。赤い袖看板に赤い軒先テント、黄色いのれんに赤字で「らーめん」、昔ながらの鉄板です。

開店直後だというのに、すでに10人が行列しています。さすが人気店ですね。炎天下の中しばし待ち続け、40分ほどで入店できました。店内に入ると、こちらも昭和の風情溢れるレトロな趣です。これまたレトロな蛇口わきのテーブルに着席します。

さて、「スタミナラーメン」といいながら、実際の人気メニューはどの店でもなぜか「スタミナ冷し」です。というわけで今回は実質的なメインである冷しを選択しました。そして、独自の進化を遂げたという当店の一番人気「焼肉冷し」を注文です。「スタミナ」と何が違うのでしょうか。これは楽しみ、ということで待つこと10分程度。

大進「焼肉冷し」

大進「焼肉冷し」

さあ、やってきました。なんとも大きいお皿、しかも溢れんばかりに餡がかかっている。これは期待が高まります。いただきましょう。

まずは麺。極太ストレート。包丁での手切りとのことで潔いほどに角が切り立っている。しっかりしたコシと噛み応えがいい。小麦感を存分に感じさせる。そうそう、この「焼肉冷し」ですが、麺は全く冷たくない。しいて言えば人肌レベル。これに餡がかかれば普通のラーメンとそん色ない温かさ。しかも量がたっぷりで、通常の大盛以上のレベル。大満足です。

次にスープ。というか餡。これがもう熱々でたっぷり。とろみがあって甘味もある。しかし、ほのかな辛味が感じられ、もっさり感を抑制し、麺と具材を十分に包み込む。これはとろみスープと呼べる質と量。大・大満足です。

そして具。通常スタミナラーメンの野菜はキャベツ、人参、かぼちゃ等というのが定番ですが、こちらは、ワカメとコーンがたっぷり。ワカメは餡にまみれてジューシーに、コーンも餡がしみ込み口中にうまみが広がります。さらにはネギが餡の甘味を引き締めます。最後はなんといっても焼肉。通常の「スタミナ冷し」ではレバーが主流。そこが「焼肉冷し」の所以です。ただ、焼肉といいながら、実は焼肉ではありません。たっぷり衣をまとった揚げ肉です。これが2個や3個ではなく5、6個は入っています。いわゆるチャーシュー麵レベルの量ですね。これは食べ応えあり。完食時には麺のボリュームと合わせてもう満腹。しかも、超リーズナブル。大・大・大満足です。

というわけで、「スタミナラーメン」萌芽の店舗でありながら、独自の進化で「焼肉冷し」を創出し、本家に勝るとも劣らない人気を誇る名店。
茨城「スタミナラーメン」は全国的にはまだまだ知名度が浸透途上ですが、知らない人、食べたことがある人、誰にとってもあらたな衝撃の一杯「焼肉冷し」。茨城訪問の際は勝田へ是非。
ラーメンって本当においしいものですね。
それではまた。

(ラーメンプロフェッサー 横浜ラメ男)