100年後に残したい名店vol.1

喜多見 大勝軒

「喜多見 大勝軒」

小田急線喜多見駅から線路沿いにしばらく歩いていくと、住宅街の中にぽつりとある店。入口には大勝軒ののれんが掲げられている。メニューにはラーメンの他に肉野菜炒めなどもある、いわゆる町の中華屋さんである。

カウンターの中では高齢のご夫婦が2人で働いている。
80歳を超えるご主人の宮入清さんは、丸長、大勝軒などで結成された丸長のれん会の長老であり、東池袋大勝軒の創業者山岸一雄さんと修業時代をともにした唯一の現役ラーメン職人である。

東京農大の近くで創業して50年以上、喜多見に移転してからも40年近くになる。
ラーメンは太麺を柔らかめに茹で、ざるで湯切りをする。カウンターに置かれた丼にはスープ、麺ともぎっしり入っており、重くて持つのに苦労するほどだ。
もっちりした太麺の舌触りが良く、あっさりした醤油のスープとともにすっと入っていく。

特筆すべきはチャーシューで、厚めに切られたチャーシューにはうっすらとピンク色が残っている。今時なかなか食べられないもも肉の良さを存分に引き出したチャーシューである。

古典的なスタイルながら十分個性を持つラーメンなのである。

太麺ゆえ、丸長グループの名物つけそばも人気である。酸味と辛みを加え、拍子木に切ったチャーシューを加えたつけだれはまさにつけ麺の王道と言えるだろう。

いつまでも続いてほしい貴重な店である。

(河田剛)

100年後に残したい名店:店舗情報

店名中華軽食 大勝軒
住所東京都狛江市岩戸北4-5-6
電話番号03-3488-3434
※店舗情報は2017年10月現在のものです