ラーメンマナーコラムvol.5

ラーメンマナー:vol.5

「ラーメンはズズズーっと」

一日一善。一日一麺。皆さん良いラーメンライフをお過ごしですか?マナーコラムの5回目はラーメンの食べ方についてです。

皆さんはラーメンを食べるとき、麺とスープのどちらから手をつけますか?それともトッピング?味見をしないで胡椒を振りかけるかもしれません。食べ方は人それぞれ、周りがとやかく言うことではありませんが、少し前に食べる音について物議を醸し出すことがありました。いわゆる「ヌードルハラスメント騒動」です。

この騒動がどのように起こり、どのように煽られていったのかについては各種情報サイトを見ていただければと思いますが、日本ラーメンファンクラブでは、麺をズズズーっと啜る音をマナー違反だとは考えていません。これとは反対に、麺を啜ることによってラーメンをより美味しく食べることができると考えています。

ラーメンは基本的に麺とスープで構成される食べ物です。麺によるスープの持ち上げ、麺やスープの香り、このようなことにラーメン職人は拘り、ラーメンファンは楽しんできました。

麺をズズズーっと勢いよく啜れば、滴り落ちる前にスープをより多く口腔内に運ぶことで味わいが増し、また、麺やスープの芳香が空気と共に吸い込まれて鼻腔内を充満することで香り豊かに味わうことができるでしょう。このように、麺を啜ることは美味しく食べる秘訣でもあるんです。

初めに書いたように、食べ方は個人の自由。麺を啜らないことを否定しませんが、啜ることも否定しません。但し、啜る目的は美味しく食べることですので、大きな音を立てることが望ましいわけでもありません。

最後に、オススメの食べ方を紹介しましょう。先ずは麺を一口で全て食べられる量で一度高く持ち上げて麺の絡みをほぐし、その麺を箸で持ったままもう一度浸してスープをまとわせ、あとは一気にズズズーっと、途中で噛み切ることなく啜る。

麺の絡まりをとかないと啜りにくいですし、途中で噛み切りますと啜ることに適さない麺屑ができてしまいます。スープの飛び跳ねは麺の絡まりをとくことである程度抑えることができますが、丼を口の近くまで持ち上げてから啜るのも良いでしょう。

また、麺が熱くて一気に啜れない方もいると思いますが、温度を下げるために息を吹きかけて冷ますことは、麺にまとったスープを吹き落としていることになります。空気と一緒に麺を吸い上げることで温度を下げることができますので、息を吹きかけない食べ方を、是非お試しください。

今回のテーマはいかがだったでしょうか?日本蕎麦をはじめとし、日本の麺料理をより美味しく楽しむために先人たちから培われてきた文化。日本を訪れる海外の方も多いですが、郷に入りては郷に従えではないですが、自信を持って日本文化の伝え手となってもらえればと思います。

五味の最後の一つ「うま味」は池田菊苗氏によって発見されました。日本人は味覚が繊細とも聞きます。啜って食べるという文化は先人の知恵だったのかもしれません。

それでは、第6回でお会いしましょう。模範となるラーメンライフを!

(日本ラーメンファンクラブ)